株式会社エンパワー21は2023年4月より社名変更しました
株式会社 接遇コミュニケーション
受付時間 | 平日9:00〜17:00 土曜・日曜・祝祭日は除く |
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今から15年ほど前、地方の研修で数回あるホテルへ宿泊しました。人事ご担当者とホテルの関係者が知り合いだったこともあり、宿泊していて気になることはないか?と問われました。
約20数年ぶりに関西国際空港を利用しました。
前職の客室乗務員勤務中にオープンした空港でしたが、退職後は利用する機会がほとんどなく、気づいたらずいぶんと長い間、関空を利用していませんでした。
入金の確認や申し込みの確認などで、すでにお振り込みされていたのに入金の催促をしてしまったり、申し込みをいただいていたのに催促をしてしまったようなことはありませんか?
ある企業に電話をしたところ、新入社員らしい社員さんが、元気良く丁寧に対応してくれました。一言ひとことをゆっくりと丁寧に発していてとても感じの良い電話応対です。私がお話したい相手がいなかったので、ご伝言をお願いしたところ・・・
接客では良く使われる言葉である「正対」
「お客様には正対しましょう」と言われます。
この正対とは、どのような意味かというと「お客様のほうへ自身の体を向ける」ということですが、さらに言うと「相手へ自身の腰骨を向ける」ことを言います。
なぜ、そうするのか・・・
それは、相手の話を聞くときに体を横に向けていたら、気持ちは相手に向いていない、きちんと話を聞こうとする姿勢ではないからです。「このスタッフは、自分の話をきちんと聞いてくれようとしていない→自分はないがしろにされた」と感じるかもしれません。そのようなことにより、思いがけない攻撃が相手からくることがあります。
もし、自分がスタッフでお客様応対をしている際に、きちんと正対しなかったとしたら、攻撃はないかもしれませんが、お客様からの信頼も得られないかもしれません。
例えば、クレーム対応や問題解決などをする際、あなたはどのような姿勢で応対していますか?
逃げ腰になってお客様の話にきちんと向き合わない場合は、問題はますますこじれるばかりです。
そこで、腰骨をお客様に向けて正対しながら話を聞いてみてください。相手の話を聞く(受けとめる)力が強くなり、同時に問題解決の手順も浮かびやすくなることを実感するでしょう。
ウクライナで接遇マナー研修を行うことになり、日本からのお土産として扇子を用意しました。
扇子を買うために何店かお店をまわったときのことです。
扇子を見ていると、販売スタッフが近づいてきて説明をしてくれました。
私が「手にとってもいいですか?」と聞くと了承してくださったので、扇子を広げてあおいでみました。
やはり扇子はあおいだ時の感じが大切だと思ったので、気になる扇子を広げてパタパタとあおぎ心地を確かめていました。
私がパタパタと2〜3回あおいでいると、その販売スタッフは、私の手から扇子を取って、自分に向かってパタパタとあおぎます。
取られてしまったので、また、違う扇子を広げて、パタパタをあおぐと、また、私から扇子をとって、自分に向かってあおぎだします。
それが、2〜3回は続いたと思います。
私はすっかり興ざめしてしまい、そこで選ぶのをやめてしまいました。
その販売スタッフは、他人が扇子を持ってあおぐ姿を見せたいと思ったのでしょう。
その方が売れると思って行動したのだと思います。
しかし、それは、逆効果でした。
お客さまは、自分の手に取り、あおぎ心地を確かめたいと思っているのですからそれを奪ってしまうのは良くありません。
お客さまは、身につけるものを買う際は、十分に手に取って触り心地や手に持った時の印象などを十分に感じたいと思っています。
その時の印象がよければ買いますし、良い感じがしなければ買いません。
その大切なプロセスを奪ってしまうのは、購買決定の機会を奪ってしまっていると言えるでしょう。
次に行ったお店では、販売スタッフは、扇子の特徴を説明はするもののお客さまから品物を奪うようなことはしません。
私は十分に見て、感じて、あおぎ心地を楽しむことができたうえで、納得してプレゼントの扇子を購入しました。
お客さまからのお問い合わせには丁寧に対応しましょう。
お問い合わせがあるということは、興味や関心があるということです。
お問い合わせいただいたことには誠心誠意こたえてお客さまが疑問を残さないように対応します。
また、お客さまの不安を取り除き、時にはお客さまの背中を押してあげることも必要だと思います。
お客さまは問い合わせをしながら、自分のニーズにあっているかそこの会社が提供するサービスが自分が求めているものかどうかを見極めます。
お客さまの問い合わせに答えるだけではなくてこちらからもお客さまを知るための質問をしてみましょう。
お客さまが求めているものを聞きだしたり、お客さまの思考の整理のお手伝いができるように会話をすすめます。
話すことにより、より自分の考えや認識が深まることがあります。
こちらが一方的に話すだけではなくて、お客さまの話を引き出しながらお客さまご自身がどうしたいのかを認識していただくように会話を進めていくと、お客さまにとって納得のいく問い合わせになることでしょう。
グローバル化や企業の海外進出に伴って、中国、インド、ベトナムなどへ
日本人が出張へ行ったり、現地で仕事する人が増えています。
そこで、日本人が現地で日本食のお店を開きはじめていて日本食ブームが起こっているそうです。
現地にいる日本人だけではなく、その土地の人もお客さまとして来店しています。
理由は、料理が美味しいことはもちろん、日本式の接客が大きく影響をしていました。
が、現地の方に評価してもらっていました。
親切で丁寧な接客やお待たせしないスピーディーな応対などは国や人種を問わず、人が望むことなのだと再確認しました。
来月、ご縁がありウクライナのカフェスタッフの方に接客研修をいたします。
日本式のおもてなしや接客を教えてほしいとの要望ですが、そちらでも自信をもって日本式の接客をご紹介したいと思います。
早めのランチに、とある町の飲食店に数名で入りました。
11:30を過ぎた頃で、店内のお客さまもまだ2〜3人しかいません。
お客さま:「ラーメン3つと餃子と2つ・・・あと、モツ煮込みをください」
店員さん:「モツ煮込みは終わってしまいまして・・・」
(えっ、まだ昼間の11:30なのに終わってしまったとは…どういうことなのか?)
と思い、「このお店は24時間ですか?」とたずねると
「いえ、11:00からオープンです」と返ってきました。
何も考えずに、ただ口先だけで言葉を話しているとこういうことになってしまいます。
あとから考えると6月になり暑い季節になったので、もうモツ煮込みは終わってしまったということだったのかしら・・・とも考えましたが、もしそうだとしたらメニューに載せておくのはまぎらわしいのでふさわしくはありません。
商品がない場合の言い方も状況に応じて適切にお伝えしなければお客さまの信用をなくしてしまうこともあるでしょう。
言葉遣いや話し方も大切ですが、目の前のお客さまにきちんと向き合って、誠実に応対できる店員を育成することがますます重要になってきていると思います。
先日、宅配会社の方から
「これからお荷物お届けにあがります。順番に伺います」と
インターホン越しに言われてから、配達されるまで45分間待たされました。
45分間、待たされるっていったいどういうこと!とあきれました。
45分の間、私はいつ荷物が配達されるのかをずっと気にしながら過ごしていたのです。
場合によってはお風呂に入りたくても入れないで待っているというような状況にもなりかねないのです。
接客の基本はできるだけお待たせしないこと
長くお待たせする場合は、おおよその時間を伝えるなどして相手に心理的負担を与えないようにすることです。
この状況であれば、待てるのもせいぜい10分くらいでしょう。
一軒家の場合は、インターホンで呼ばれてからすぐに荷物が届くでしょう。
しかし、マンションなどの集合住宅は、インターホンで数十名のお客さまにまとめて連絡をして、その後にまとめて配達する方法をとっている会社が多いと思います。
「効率を考えるとそれも仕方がない」とお客さまが寛大に考えて下さっているからそういう配達方法がとれているにも関わらず、45分も待たせるということは常識を超えていると思いました。
そこで、配達スタッフに「連絡してから何分かかっているかわかっていますか?」とたずねると「あっ、上から順番にきてるんで・・・」と自分たち都合の回答が返ってきたうえ「これからは10分以内に配達してください」と伝えると「今までもそうでしたか?」と言われました。
「言ってくれなければわからない」
「そうしてほしいのなら言ってくれ」
という姿勢が見えて、さらにガッカリしました。
自分たちの効率や都合を優先するあまり、お客さまの心情や相手の気持ちを思いやる気持ちを忘れないように注意しなければいけないと肝に銘じました。
打ち合わせなどのために企業に伺い、受付で待っているときに教育の行き届いている企業の社員の方は「いらっしゃいませ」と声をかけて下さったり、会釈をして下さいます。
自身が接客中などでない場合は、会釈だけではなくできるかぎり「いらっしゃいませ」と声を出していただいたほうが断然印象が良くなります。
また、笑顔であることも大切です。
会社の受付けや応接室付近は、社外の方が往来する場所です。
そこにいる際は、お客さまを気遣う意識や見られている意識を持つことが必要だと思います。
先日、雪の降りしきる中、打ち合わせのためにある企業に初めて伺いました。
広々とした受付ロビーに入ると、スタッフが「いらっしゃいませ」と丁寧に迎えて下さいました。
そして、すぐに応接室にご案内してくださいました。
暖められた素敵な応接室に入ると、応対者側のデスク上にすでに手帳や資料などが並べられています。
「ご担当者はすでに一度、応接室に来て手帳などを置きにいらしたのだ」と私は思いました。
ピリッとした緊張感とともに、迎えられている温かさを感じました。
毎回、応接室に先に足を運び準備できないこともあると思います。
しかし、時間的余裕がある際はできる限り、応接室を一度確認してから来客をお迎えしたいものです。
その方が、自分も落ち着いて打ち合わせに臨むことができますし来客に対しても落ち着いて丁寧な応対ができると思います。
帰る際もまだ雪は降り続いていましたが、暖かい気持ちで帰路につくことができました。
ある所で接遇マナー研修をした際に、お客さま応対チェックシートにより接客時の自身の印象を確認をしてもらいました。
「背筋を伸ばしてテキパキと応対しているかどうか」のチェック項目がありますが、「はい」と回答している人がとても少なくて驚きました。
その職場は、お客さま応対が中心です。
応対中はもちろん後方でデスクワークをしているところもお客さまの視界にはいってくる職場です。
にもかかわらず、背筋を伸ばしてテキパキと応対していることを意識していないというのは、問題だと思いました。
応対を待っているお客さまは、そこで働いている人の姿を良く見ています。
その姿を見て、しっかり対応してくれている、お待たせしないようにテキパキと対応してくれている、活気ある職場だ、にこやかに親切に応対してくれている などなど実に多くの印象を持ちながら、働く人や職場の雰囲気を見ています。
などのようなマイナス印象を与えることがないように背筋を伸ばして、テキパキとお客さま応対をはじめデスクワークにも取り組むように心掛けましょう。
近年、個人でサロンを開く方が増えています。
自宅の一室をサロンとしている場合もあると思います。
その際に、気をつけたいことがあります。
それは、清潔にしておくということです。
サロンに行って気になることをいくつかあげてみます。
また、個人宅でサロンを開いている場合は以下の点にも目を向けてみましょう。
こういうことって、サロンの方にはなかなか言えないことだと思います。
ですので、なかなか改善されないことでもあります。
サロンは、お客さまがリラックスしたい場所です。
その場所がホコリっぽかったり、汚れていたら気持ちがほぐれません。
リラックスして施術を受けることはできないでしょう。
もう一度、お客さまをもてなす空間になっているかどうかをお客さま目線で見直してみましょう。
電話応対は企業にとって顧客との大切な接点です。
すでに顧客の場合もあれば、見込み客の場合もあると思います。
今はインターネットが発達しているので、ネットで予約をして当日に店舗や宿泊所に行くことも多くなっています。
ですが、インターネットで調べていくつかの候補の店舗や宿泊所をピックしてから、電話で問い合わせをしている人も案外いるようです。
私もそうすることが時々あります。
電話をかけて問い合わせた際の応対の良し悪しで決めるのです。
電話をかけて、そこで働く人と直接話すことで、どのくらいお客さま応対がしっかりしているか、お客さまのことを考えた応対をしているのかがはかり知れるのです。
また、電話の第一声「はい、エンパワー21でございます」の応対が暗かったり、早口で聞き取れないような企業がまだまだ多いように感じます。
電話の最初の印象はとても大切です。
人で言うと第一印象に匹敵するくらいです。
第一声が明るくて丁寧であると、電話のかけ手の気分が良くなります。
その後の応対がスムーズに行われる確率が高くなるわけです。
電話は顔が見えない分、感情が表れやすいと言われます。
電話によるクレームが多いと感じたり、電話応対中にお客さまが急に不機嫌になると感じる場合は、電話応対を見直した方が良いと思います。
ミステリーショッパーなどで男性スタッフの接客を調査したり、OJT指導をさせていただくことがございます。
そこで、どうしても気になるのが年配男性の接客です。
全員がそうだとは決して言いませんが、傾向として以下のようなマイナス面がございます。
横柄、上から目線、偉そう、融通がきかない、行動が遅い など
そのような印象を払しょくするために、接遇面にとても力を入れている企業さんがございます。
その企業の年配男性スタッフは、接遇指導を受けてから、奥さんから話しやすくなったと言われるようになったとのこと。ご家族からも喜ばれているそうです。
では、年配男性の接客のプラス面は・・・
落ち着いている、安心感がある、頼りがいがある、包容力がある など
年配男性でプラス面を大いに発揮している方とお会いしました。
ある役所で窓口を担当されていました。
「すみません、納税証明書が必要なんですけど・・・」と私がその方にたずねると
「納税証明書ですね。はい、それでは、お出しできるかどうか確認いたします。
4時を過ぎてしまいましたので、現金ではなく収入印紙でご購入いただくことになりますが、その際は近くの郵便局で買ってきていただきます」 などと
はきはき、てきぱき、親切に対応して下さいました。
私は、初めての書類申請で慣れなかったのですが、納税の確認が取れればすぐに証明書をお出しできるということを丁寧な説明と応対全体で伝えて下さっていたので、とても安心することができました。
次から次へといらっしゃるお客さまを親切に応対しながら、モタモタしている他の職員に「窓口、お願いします」と声をかけながら窓口の接客を引っ張っていらっしゃいました。
年配職員がとても良い接客をしているので、他の職員の接客も良くできていました。
年配男性の見本となるような接客を受けて、気持ちが晴れやかになった出来事でした。
ある商工会議所で接遇コミュニケーションの講演を終えた際に、パソコン修理のお店の店長さんとお話しする機会がありました。
店長さん曰く「うちはお客さまがマイナスの状態(パソコンが壊れてしまった…)で来るから本当に初めが肝心なんです」
店長さんがおっしゃるように、お客さまが抱く初めの印象はとても大切です。
また、パソコン修理というお仕事の場合は、特に初めの印象や関係作りが後々まで影響し、ひいてはお店全体、会社全体の印象を左右しかねません。
お客さまが「パソコンが壊れてしまって…、こういう状況なんですけど」と説明をしはじめたばかりで「うちは、〜の場合は対応できるのですが、もし〜の場合は、修理できないかもしれないんですけど、それでもよろしいでしょうか?」
「過去に〜修理は担当したことがありますが、こういうケースは初めてなので…ちょっとどうなるかわからないのですが、それでもよろしいでしょうか?」
「もし、〜の場合は、メーカーに依頼することになってしまい、その場合はお客さまからメーカーにご連絡をしてもらい、修理代もお客さまのご負担になってしまいますが…よろしいでしょうか」など
保身からの言い訳や責任を負いたくないという考えを前面に出して「よろしいでしょうか?」「よろしいでしょうか?」と上記のようにお客さまに話しているとしたら、
お客さまは
と不審や不安のウズに飲み込まれしまうことでしょう。
そのようにお客さまに不信感や不安感を与えるのは避けましょう。
お客さまの声をしっかりと受けとめながら、パソコンの状況を聞き、事実を正確に聞きとることが大切です。そうしている中で、明かに当社では対応できないということがわかれば、その時点でお客さまに説明をして、お断りをすることも必要です。
その際は、どうすればお客さまの問題を解決できるか、どこに問い合わせればいいのかを伝えてあげましょう。
また、状況確認をした後で、事前にお客さまに伝えておいた方が良いことがあれば、
この時点で伝えましょう。お客さまの話をちょっと聞いた時点で、
“このお客さまはうるさそうだから、先にイロイロと伝えておいたほうが良さそうだ”と思って
「よろしいでしょうか?」攻めにしないようにしましょう。
このような保身は、かえってお客さまからの信頼を失い、お客さまの反発心を招くことに
なってしまいます。
事前に伝えておいた方が良いことがあれば、お客さまの話をしっかりを聞いたうえで伝えるようにして、決して最初から言い訳めいた説明はしないようにしましょう。
声を出すのを苦手に感じている方が多いと思います。
満員電車の中で「おります」と一言を言えばいいのに後ろからぐいぐい押す人。
道でぶつかりそうになっても「失礼」「すみません」と言わない人。
新入社員研修でも、初めは、声が小さくて小さくて「もっと大きな声で」「皆に聞こえるように言ってください」と何度も言っています。
ある企業の社長さんが、研修の打ち合わせの際に、このようにおっしゃいました。
「頭は下げるけど、言葉がないのですよ」
お客さまに対して、お辞儀はするけども「ありがとうございました」「よろしくお願いいたします」の言葉が出ない社員が多いそうです。
言葉は動作の足りない点をおぎなってくれますし、動作だけの時よりもダイレクトに相手に届くものが声です。
シーンと静まり返った応接室。
お互いに初めて会って緊張で空気が張り詰めています。
そのような時に、お茶を持ってきて下さり「どうぞ」とやさしい声でお茶をすすめてもらったら、ピーンと張り詰めていた空気も和らいでくるものです。
お客さま応対時も、声を積極的に出しているか出していないかで印象が変わります。
声は“活気”を生み出します。
活気や元気のあるお店は、店員さんの声が良く出ています。
うるさく声を出しているのがいいという訳ではありませんが声は波動となって空気(場)を変える力がありますから明るい声、張りのある元気な声を出して、会社やお店の雰囲気を良いものにしていただきたいと思います。
あなたは目の前の相手やお客さまにしっかりと向き合っていますか?
私は先日、お客さまがこういう気持ちで距離を置いたり、また会いたいと思わなくなるという体験をしました。
例えば、あなたがある営業担当者と会う約束をしていたとしましょう。
あなたは時間を割いて、営業担当者と過ごすわけですがその営業担当者が、気持ちが“ここにあらず”だとしたらあなたはどんな気持ちがしますか?
気持ちがここにない理由としては
私が体験したのは、以下の状況でした。
「朝から緊急な用事が入り、今日は本当にバタバタしています」
「今日は頭が全然働いていません。また今も緊急な予定が入りました」と、
私の目の前にいるその方は、メールを見ながら、私に何度もそう言ってきます。
私はだんだん腹が立ってきました。
今日、その方と会うことを私は楽しみにしていました。
建設的な打ち合わせをしていくこと、今後のことを意見交換したり共有する時間をもちながら、お互いが発展していく話し合いをしたいと考えていました。
ところが、相手は受信されたメールを見ながら、気持ちがここにない状況で、私と一緒にいるのです。
人はそれぞれの事情がありますから、気持ちが他のことに取られてしまうようなことがあるでしょう。
そんな自分の落ち着かない気持ちや落胆した状況を受けとめてくれるのは、せいぜい家族や友人くらいでしょう。
それを仕事に持ち込んだり、お客さまやビジネスパートナーなどとの面談時に当然のように出してしまったら、それはプロとは言えません。
気持ちを切り替えて、その時間は目の前のことに常に集中することが大切です。
心ここにあらずの場合は、相手と心を通わせることはできませんから良いお話に発展していくことはないでしょう。
事務所の移転を数年前に行った時のことです。
2社の引越会社に見積もりの依頼をしました。
2社の営業担当者がとても対照的でした。
最初に来た担当者は、20代の後半とおぼしき男性でした。
明るくて元気はあるのですが、話している時も体が左右に揺れていて終始、落ち着きのない印象です。
また、質問などに対しての返答も威勢は良いのですが、軽い印象のために「本当に大丈夫なの〜?」と感じてしまいました。
もう1社の担当者は、40代後半とおぼしき男性でした。
話し方や態度などが落ち着いています。
質問などに対しても、一つひとつ受けとめながら丁寧に返答してくれました。
堂々としていて信頼ある印象でした。
見積もりの結果、料金にはほとんど差がありませんでした。
私は、料金が多少高くても2社目の引越会社に依頼したいと見積もりを取ってもらっている時にはほぼ決断していました。
会社の印象は、担当者の印象が大きく影響します。
お客さまとの相性や好みの問題もあると思いますがお客さまは、担当者の印象や言動でその会社を利用するかどうかを決定づける傾向があります。
お客さまが望むことは、見積もりを的確に提示して、引っ越しを滞りなくやってほしい、事故なく進めて欲しいということです。
やはり信用や信頼、安心感を与えられるかどうかが鍵になると思います。
今回の2社の営業担当者は年齢が影響している部分もありますが、単に年齢だけの問題で片付けられません。
20代であっても、落ち着いて安心感を与える言動が取れる人もいますし、50代であっても、不安な印象を与えてしまう人もいます。
人は、その年代、年齢の魅力があると思います。
若年者はさわやかさや元気の良さを出しながらも落ち着きや信頼感を表現すると良いでしょう。
一方、中高年のベテラン社員は、年齢からくる落ち着きがすでに備わっているでしょう。
そこに、はつらつさや元気の良さが加わるとさわやかさが出てきます。
自分の強みを活かしつつ、信用や信頼、安心感を出すように心がけると良いでしょう。
問い合わせの電話などに対して、クレームを恐れて逃げ腰な応対になっていませんか?
「すみません、○○についてお伺いしたいのですけど…」
「○○についてなんですけど」
と、電話がかかってきたとき、あなたはどんな気持ちでいますか?
「面倒くさそうな、電話がかかってきたぞ」
「○○について、どうしたって?面倒くさいこと言わないでよ」
という感情がわいてきたとしたら、注意が必要です。
マイナスな感情を持ったまま応対をすると、言葉のはしばしに面倒くさそうな印象が出てしまったり、お客さまを突き放すような言い方をしてしまう確率が高くなります。
今はネット社会ですから、企業をはじめ、商品やサービスの情報はほとんどネットから入手できます。また、ネットで簡単に申し込みもできます。
しかし、実際にサービスを受けるときに、電話で問い合わせてみようと考える人は少なくありません。いざ、サービスを利用する段階になると、そこの会社の人と話してから申し込むかどうかを検討しようと考えるものです。
「電話で話してみて、担当者が感じ良かったら申し込もう」
「ネットに書いてあるけど、本当にそうなのか確認してみたい」
と考えます。
ですから、問い合わせの電話をかけてきてくれるということは、興味関心が高いからだと考えて丁寧に応対しましょう。
「何でも聞いてください。できる限りの対応をさせていただきます」の姿勢でのぞみましょう。
あなたの電話応対いかんにより、お客さまが一人増えるか、もしくは減るのかが決定されるのです。
実家の父が検査入院をすることになったと母から連絡がありました。
その時の話ですが、その担当医が人の話を聞くことができない人だったそうです。
母いわく、「患者も医者を選ぶ権利があるから、看護師さんに言って、担当の先生から医院長先生にかえてもらった」とのこと。
まだ、このような先生がいたんだと思いました。
特に先生と言われる仕事をしている人−学校の先生、お医者さん、弁護士さんや税理士さんなどの士業と言われる人 などによく見られる傾向があります。
自分だけが一方的に話をして、お客さまの話を聞こうとしない確かに患者さんの話を聞くことは時間がかかります。
患者さんの待ち時間を減らそうと努力しているのかもしれませんが患者さんの話を聞かないと、そのうちに、努力しなくても待ち時間は減っていくことでしょう。
お互いの理解を深めるためには双方向の会話が欠かせません。
双方向の会話がかわせないということは、信頼関係を築くことができませんからそのようなお医者さんに検査や執刀されることは気持ちが許さないでしょう。
私は、担当医を変えただけでは怖いので、セカンドオピニオンとして他の病院にも行くことをすすめました。
移動手段として都バスを利用することが多くあります。
ここ最近、都バスにある嬉しい変化が見られました。
それは、ドアが閉まりかけた時に乗り込もうとしている乗客がいるとドアを開けてくれる光景が見られるようになったのです。
また、ドアを閉めて少し走りだしたにもかかわらず、止まってドアを開けて乗客を乗せた運転手さんもいました。
2年前、私がバスに乗車しようと時間を見計らって家を出ました。
その時は、バスが早く到着したようで、乗車時刻ちょうどだったにもかかわらず、目の前でドアが閉まってしまいました。
タイミング良く、走り出したらすぐに赤信号のために停車したので乗せてもらおうとして、ドアに近づきました。
しかし、マイクで「バス停以外での乗車はできません」無情な言い方で乗車拒否をされた経験があります。
しかも、乗車時間ちょうどだったのに…。
その時に思ったのが、バスは遅れることが日常茶飯事で定刻に来ることが珍しいのに、自分たちが遅くなる時は何のお詫びの言葉もなく遅れるのが当然といった様子なのに、乗客が目の前にいても走り去ってしまうという非情さや、不合理さ。
ところが、震災後からだと推測しますが、計画停電や交通網の乱れなどから乗客に十分サービスができなかったことをきっかけに考え方が変わってきたようです。
困った時はお互いさまです。
お客さまも協力しますから、企業の側もムリなく、安全を守りつつ運行していただくことを期待いたします。
お子さんを保育園に通わせるお母さんから聞いたお話です。
保育園の費用をふり込むために、普段はほとんど行かない地元にある信用金庫に行ったそうです。
「その信用金庫は、とってもホンワカしていてあったかい雰囲気がとっても良かったので、そこで定期預金でも始めようかと思っちゃいました」
と、ランチをご一緒している時に突然、話しだしました。
最近、都市銀行といわれる大手銀行が、お客さまをさばくような接客をしている中、地方銀行や信用金庫が頑張っているように感じます。
都市銀行などと比べると来店者数が少ないこともあると思いますが弱みを逆手にとってサービスをしているようです。
また、これも別な方から聞いた話です。
「祖父の年金のことを聞きに、都市銀行の窓口に行ったら、面倒くさそうに応対されて、適当な説明をするから、何度も足を運ぶことになってまいった」
「家を新築する際に、ある信用金庫からお金を借りたのだけど、とても親身になって良くしてくれたので、その祖父の年金も自分たちの年金も全部、その信用金庫にかえることにした」
大口のお客さまには平身低頭に、個人客にはぞんざいに…
お客さまは企業のそのような態度をよく見て感じて判断されているようです。
常連のお客様や仕事上で良く接する人との距離感を考えたことはありますか。
距離感は、相手への接し方です。
何度も会っている常連のお客様に、まるで初めて会ったように挨拶をしたら違和感を与えてしまうでしょう。
定期的に何回か会っていると、あいさつの仕方もかわってくるものです。
たとえば、初めての場合は「いらっしゃいませ」とやわらかい表情で丁寧に声をかけます。
次第に二度三度と足を運んでくださるお客様には、親しみを込めて「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます」「本日もお越しくださいましてありがとうございます」と変化するのが自然です。
職場であれば、定期的にくる営業担当者に「いらっしゃいませ。こんにちは」「今日もお疲れさまです」などと声をかけていると思います。
地方の企業研修に行くとこのような声を聞くことが多くあります。
「うちは常連のお客様が多いし、もう長く付き合っているお客様ばかりだから、敬語なんかで話すことはないですよ」
きっと言葉遣いだけではなく、あいさつや立ち居振る舞いまでも普段仕様になっていることが予想されます。
ここで注意したいことがあります。
それは、いつでもどんな時にも普段仕様の応対になっていないかどうかです。
契約やサービスの説明をする際でも、まるで世間話をしているように会話をしていることはありませんか?
お客様は常連さんであってもお客様です。
どこかで自分なりにメリハリをつけないと、すべてがナアナアになってしまうでしょう。
私は気に入ったお店には長く通います。美容院とエステ店には10年以上通い続けています。
担当の美容師さんは、毎回「いつもありがとうございます」と外に出て、丁寧にお見送りをしてくれます。10年間欠かすことなく継続しています。
美容師さんなりにけじめとして実行されているように思います。
『親しき仲にも礼儀あり』と言うように、どんなに親しいお客様であってもどこかでお客様であることを意識した接客をするようにいたしましょう。
あなたのその心遣いは、きっとお客様に届くことでしょう。
最近、よく耳にする『引き寄せの法則」。
私は仕事に置き換えて考えてみました。
引き寄せの法則というのは、どのようなものかというと「自分と同じものが引き寄せられる」ということです。
ですから、自分がいつもHAPPYで、良い気分で幸せな気持ちでいるとそれと同じようなことが引き寄せられてくる。
逆に、自分が不平不満、不機嫌な気持ちで過ごしているとそれと同じようなことが引き寄せられてしまう・・・
それを仕事に置き換えるとハッピーさんは、お客様のためにいい仕事をしよう。
お客様に喜んでもらえるように、自分ができる最善のことをしようと仕事をしています。
すると、お客様も、いい仕事をするハッピーさんに感謝したくさんの「ありがとう」をくださいます。
ますますハッピーさんは幸せな良い気分になっていきます。
それだけではなく、ラッキーなことが起こってきます。
一方、不満さんは「なんで私がこんな仕事をしなきゃいけないのよ」「あーつまんない」とという気持ちで仕事をしています。
すると、変なお客様につかまってしまい、ますます嫌な気分で仕事をすることになったり、ミスをして叱られたり・・・とますます嫌な出来事ばかり引き寄せられてきてしまいます。
当たらぬも八卦、当たるも八卦という言葉がありますがこの法則は信じるのもその人次第、信じないのもその人次第だと思います。
しかし、私には大変よくあてはまっている引き寄せの法則です皆さんはいかがでしょうか?
先日、友人とある飲食店で待ち合わせをしました。
予約をせずに直接お店に集合したのですが、私が店に行くとすでに友人が入口のいすに座って待っていました。
「いっぱいだって・・・」と残念そうです。
金曜日の夜ということもあり、そのお店はまるで貸切パーティのようににぎわっていました。
しばらく待っても席があかないようでしたので、私たちは扉を開けて店をすぐに出ました。すると、どこからともなく店員さんがあらわれて
「せっかくお越しいただきましたのに申し訳ございません。またのお越しをお待ちしております」と丁寧にご挨拶をして下さいました。
ここのお店が繁盛しているのは、ここに理由があると私は思いました。
とくにお店がにぎわっていて混雑していると、お客様への気配り、目配りがおろそかになりがちです。しかし、そのお店は帰ろうとするお客様の気配を察知し、素早くお店の外に出てきて声をかけてくださったのです。
お客様の期待に添えなかった場合でもこのように最善を尽くして対応して下さることにより、入れなかったという残念な気持ちよりもむしろすがすがしい気持ちになりました。
またの機会に必ずこのお店に来ようと思った出来事でした。
接遇という言葉は最近ではだいぶ浸透してきたと思います。
通常は「接遇」も「接客」も同じ意味で使うことが多いと思いますが、研修などの勉強の場ではあえて「接遇」と「接客」の違いを考えたりします。
私の場合はこのようにお伝えしています。
接遇は“遇する”という言葉が入っています。
遇するとは「もてなす」という意味です。
ですから、接遇はお客様や相手をもてなす、思いやる気持ちを持って応対することです。
接客は「客と接する」“接するだけでそこにおもてなしは入っていないため、これからは意識してお客様をもてなす接遇を実践いたしましょう”
これは接客業の方だけではなく、どのような職業の方に対してもあてはまるものだと思います。
そして仕事だけではなくプライベートにおいても大切な考え方と言えます。
人との出会いは一期一会のものから、その出会いによって人生までもが変わってしまうくらい影響がある出会いもあります。
その出会いや瞬間を気持ちの良いものにするのも、気分の悪いものにするのも接遇が大きく関わっています。
最近、悲しいのが同じマンションの住人がエレベーターに乗り合わせても挨拶もない、エレベーターの中では携帯を見ていて、他の人の出入りにはおかまいなし・・・というような瞬間に出合うことが多くあります。
居心地の悪さを感じている人もいるし、感じることができない人もいるようです。
居心地の悪さを感じることができない人は「接遇力がない人」と言えるでしょう。
人はそのような人と一緒にいると居心地が悪いために、積極的に一緒にいようとはしません。だんだんとその人の周りには人が寄り付かなくなってしまうでしょう。
そして接遇ができる人は、一緒にいると居心地がいいので人が寄ってきます。
相乗効果で、ますます良い関係が形成されます。
「自分はお客様と良い関係がつくれない」「職場で人間関係がつくれない」「彼氏や彼女ができない」と思うようなことがあったら、まずは接遇を感じることから始めてみましょう。
感じることができればあとはそう難しくはありません。
あとは自らの意思でもって接遇を実践しましょう。
年に数回行くゴルフ場の話です。
クラブハウス前に車を止めて、キャディバッグを下しますがいつも出迎えて下さるキャディさんがその日はいません。
仕方なく、キャディバックを自分で下ろしました。
いつもは数人のキャディさんが明るい挨拶と共に迎えて下さるのに今日はどうしたのかしら・・・と思っていました。
私以外のお客様も数組が、自分たちでキャディバッグを下しています。
重いバッグを運んでいると、男性のスタッフがお客様がフロント前に置いたキャディバックを一人で運んでいます。
「バッグはそっちに」とあごを使って私に話してきました。
「今日はお一人ですか?」と私が声をかけると
「まだ6時半になってないですから」と返ってきました。
私はしばらくその言葉の意味を考えていましたが、どうやら“6時半前はまだクローズしているから、お迎えはできない”という意味だったようです。
時計を見ると間もなく6時半になろうとしていました。
その男性スタッフも遊んでいるわけではありません。一人でお客様の置いたキャディバッグをせっせと運んでいます。ただ、言葉が足りませんでした。
「おはようございます。お客様、恐れ入りますがそちらにお置きいただけますか」「申し訳ございませんが、キャディバックはそちらにお願いします。ありがとうございます」
十分なスタッフがいたとしても、お客様が大勢いらして応対が行き届かないことはしばしばあります。そのような時はいつも以上に積極的なお声掛けをすることによって足りない点を補いましょう。
今回は昨年、事務所を移転した際の、あるコールセンターとのやり取りの中での出来事です。
その日も電話につきっきりの午後となってしまいました。
事務所を移転したために電話やパソコンなどの設定をあらたにしなおしましたが、ファックスの設定だけがまだ残っていました。
その日は覚悟を決めてファックスの設定に取りかかりました。
なぜ覚悟を決めたのかというとファックスの設定はもう既に5回目のトライです。
今までもサポートセンターに電話をかけましたが、保留にされる時間があまりにも長いために途中で時間がなくなってしまったり、「ここに電話をかけるように」と指示されて電話をかけたのですがそこでも解決できなかったりとタライ回しも数回経験しました。
「お客様サポート」「○○サポート」「お問い合わせセンター」と問い合わせ先を細分化し、専門性を持たせたのはいいのですが「それは自分たちの担当ではない」とばかりに色んなところを案内されました。問い合わせ先が増えるということはタライ回しも起こりやすくなるのだと実感しました。
その日もいつものサポートセンターに電話をかけました。
初め担当者はひどいもので指定の電話番号に電話がつながらないのは電話機に問題があるのかもしれないと安易な結論を言い放ちました。
(指定の電話番号以外は問題なくつながるのにもかかわらず)
私のクレームに対してはもっともらしく「それはそれは申し訳ございません」と口先では言うけれど、結局は「こちらに電話をして下さい」とタライ回し・・・。
その後、教えてもらった番号に電話をかけましたが帰ってきたのはこんなアナウンスです。
「こちら電話番号はお客様の電話からはつながりません」
私は気を取り直して再度サポートセンターに電話をしました。
またいつものように今までの経緯を話すことからスタートです。
私は今日だけではなく、ここ数日間のやり取りを洗いざらい話ました。
もうかなりうんざりしていることも伝え、何としても今日中にファックスの設定を完了したいのでよろしくお願いします!という強い意志表示をしました。
するとその担当者は「はい、かしこまりました。よろしくお願いします」と力強く言ってくれたのです!
ん、この担当者は何か違うぞと瞬時に思いました。
何度もタライ回しにされたり、電話を切ったらそれっきりで、また一から担当者に説明し、ゼロからスタートしていた今までの担当者とは何かが違います。
この担当者はいったん電話を切ったとしても、また電話をかけ直してくれるので一回切ったらゼロベースではありません。
携帯電話で話をしながら、固定電話を使って指定の番号になんとか電話をかけることができ、ようやくファックスの設定をすることができたのです。
私も最大の懸案事項が解消されて心から「ありがとうございます」とお礼を述べることができました。
この担当者は、自分が電話に出たお客様とは最後まで向き合おう
何としてもお客様の問題を解決しようとする意思が「はい、かしこまりました。よろしくお願いします」という言葉と声から伝わってきました。
そしてその言葉どおり、一生懸命にお客様の問題が解決するのをサポートしてくれました。
今は様々な企業がお客様のトラブル解決のためのコールセンターを設置していますがお客さまにとって頼りになるのはコールセンターの担当者だけなのです。
しっかりとお客様に向き合うためには、お客様の話を落ち着いて良く聞き、状況を把握することが肝心です。
「この問題は自分たちの部署の担当ではない」「面倒くさい問題は他の部署に回してしまえ」ではなく他の部署に回すにしても
「こういう状況なのでこちらの部署ではなくて、○○にかけてこのようにおっしゃっていただけますか」とお客様に説明できなければサポートセンターとは言えないでしょう。
お客さまにとって頼みの綱であるサポートセンター。
「お客様から頼りにされている」と強く自覚して応対に臨みましょう。
お客様がそのスタッフに信頼を寄せるか、寄せないかは最初の出会いで決定づけられることが多いと思います。
お客様がカスタマーサービスのカウンターに足を運びました。最近では積極的にカスタマーサービスや案内係を配置している店舗が多いと思います。
しかし、肝心なカスタマーセンターのスタッフや案内係がお客様とのラポールを十分に築くことができないように感じます。
ラポールというのは『心と心のかけ橋』という意味です。
お客様と自分の心に橋をかける、つまり良好な人間関係をつくるということです。
お客様がカウンターに身を乗り出して、熱心に状況や必要な商品の説明しているにもかかわらず、そのカスタマーセンターのスタッフはボサッとした表情で手を前に組んで、棒のようにつっ立っています。
これではお客様とのラポールづくりは無理でしょう。
スタッフとお客様の温度差がありすぎるからです。
お客様は困っている、何としてもその問題を解決したい、探している商品を手に入れたいという要求が強いために身を乗り出して熱心に話しています。
それに比べ、このスタッフの表情はボサッとしていて、手は前に組んではいるものの棒立ち・・・お客様の話を聞く時は手は前で組むようにと指導を受けているのかもしれませんが、 ポーズだけを取っているというのは一目瞭然。
目の前のお客様とどのくらい温度を合わせることができるかどうかがラポールづくりには欠かせません。他の言葉で言うと「お客様の立場になる」ということになりますが、気持ちだけではなく態度でも表わさないとお客様には伝わりません。
接遇マナーはあなたの気持を形に表したものです。
お客様の熱い思いには、こちらも熱く応える
−スタッフも身を乗りだす、真剣な表情で聞くなどの形を表現しましょう。
壁掛けの鏡が欲しくて、インテリアショップを見つけるとお店に入り、鏡を探すことが続いていました。そしてようやくお気に入りの鏡をある店舗で見つけました。
しかし、その鏡は卓上型のようで、写真立てのように机の上に立てかけられていました。
ですが、私は壁につりさげて使いたいと考えています。
壁掛け型の鏡も売っていますが、その卓上型の方がデザインが素敵です。
そこで、スタッフの人に相談してみました。
「これを壁に掛けて使いたいのですが」すると、その店員さんは鏡を手に持って、どうすればつりさげられるかと考えながら、鏡の裏を見たり、重さを確かめたりしていました。
「壁に掛ける場合は、けっこう重さがありますので、備え付けの金具に掛ける方がいいと思います。金具は付いていますか?」「はい、ついています」と私はこたえました。
しばらく二人で鏡を手にとって、どこをつり下げればよいかなどをあれこれ検討していました。そして、私がこれを買おうとほぼ決定した矢先に「何かあった場合は、こちらでは保障いたしかねます」と言い出したのです。
私は急にその店員さんとの心理的な距離を感じ、思わず「保証してくれなくてもいいわよ」と言ってしまいました。
すると店員さんも「床などに落ちてしまった場合、傷がつくといけませんから・・・」と言ってましたが、そうであれば最初から少し言い方を工夫したいものです。
お店としての立場を守ったり、クレーマー対策としてこのような言い方をしたのかもしれませんが、これでは長期的なお客様との信頼関係を築くことは難しいでしょう。
このような場合は「重さがあるので床などに落ちて、傷がついたりしなければいいのですが」とお客様の立場に立ちながら、もしもの場合のリスクをお伝えしたいものです。
今の時代、保身に走りたくなる気持ちもわからなくはないのですがそれは最終手段です。
常にお客様の立場になり、どうすればお客様の望みをかなえることができるのかを第一に考えます。
そして、リスクを考えたり、提示したりしながらもお客様が最終決定を下せるようお手伝いをしましょう。
ある書店に図書カードを買いに行きました。
「図書カードありますか?」とたずねると「ございますが、現金のみのお取扱いになりますが、よろしいでしょうか」と返ってきました。
その店員さんからは「カードが使えなくて申し訳ない」という気持ちは全く伝わってきませんでした。
私の気持ちとしては「現金でしか買えないのであれば“よろしいでしょうか”と言われても仕方がない…現金でしか買えないんでしょ」という気持ちになりました。
ある企業でのクレーム応対のトレーニング時に「仕上がりは2日後になりますが、よろしいでしょうか」とスタッフ役がお客様役に言いました。
お客様役のスタッフは「さらに二日も待ちたくはないけど、しょうがないんでしょ!」とご立腹。火に油を注ぐ応対になってしまいました。
このように「よろしいでしょうか」は表面的にはお客様にお伺いをたてていますがややもすると自分たちの都合を押しつけた言い方になってしまっていることがあります。
しかし、こういう場合の使い方は問題はないと思います。
「お客様、喫煙席でしたらすぐにご用意できますが、喫煙席でもよろしいでしょうか」さらに言い方を変えると「お客様、喫煙席でしたらすぐにご用意できますが、いかがでしょうか」という言い方もすっきりとしています。
「よろしいでしょうか」は使い方を間違えるとクレーマーを刺激する言葉でもあると思います。
便利だからとか、良く耳にする言葉だからと言って安易に使わないように注意したい言葉の一つです。
お客様との最初の出会いはお出迎えの場面が多いと思います。
最初の出会い、つまりお互いの第一印象が決まる重要な時です。
誰でも好みがあると思いますが、苦手なお客様、好きなお客様を瞬時に判断してしまうこともあるかと思います。
しかし、そこで気をつけなければいけないことがあります。
それは自分が苦手とする第一印象のお客様の場合です。
「以前に似たような年齢のお客様を応対した時にエライことになった」
「この年代のお客様ってうるさいから嫌い・・・」などと
お客様に対して先入観を持ってしまうことってありませんか。
その先入観が一瞬のうちに表情に出たり、態度に出たりするのが人間だと思います。ですから、自分の苦手とするようなタイプのお客様の場合でも、いかなる場合でも、お客様をお迎えする時は100%ウエルカムの気持ちでお迎えすることがキーポイントとなります。
なぜ、キーポイントになるかというと、最初のお出迎えでお互いに良い印象をもつことができれば、その後の応対もスムーズに進むからです。
ところが、お客様が少しでも「自分は100%受け入れられていない」「このスタッフは自分のことを苦手と感じているのかもしれない」と感じてしまうと、その後の応対がスムーズに進まなくなることが多いのです。
スタッフの話を半信半疑で聞いたり、自分はだまされるのではないかと警戒したり、最悪の場合は、言葉じりをとってそこからクレームに発展してしまうということもあります。
「このお客さん、もしかしてクレーマー!?」などと感じた場合も同様です。
先入観でお客様を判断して、その気持ちを持ち続けてはいけません。
「苦手なお客様かも知れない」「クレーマーかもしれない」と思った時にはさらに気を引き締めて、誠実に、丁寧にいつもどおりの応対をしましょう。
お客様は変に特別扱いをされることも嫌います。
ですからご機嫌とりのような応対はせずにいつもどおりが大切です。
「100%ウエルカムの気持ちでお迎えする」ことがお客様との関係づくりの第一歩なのです。
とある駅前のファーストフード店のお話です。
仕事の関係で、そのお店には月に2〜3回、1年ほど通っていました。
私はそのお店が好きではありませんでしたが、そこしか行く所がなかったために利用していました。
なぜ好きではなかったかと言いますと、印象が暗いお店だからです。
挨拶も「いらっしゃいませ」とただ言っているだけ、スタッフの表情は沈んでいます。
朝の時間帯は店長らしき男性が一人と、アルバイトの女性スタッフが一人です。
カウンターで女性スタッフが接客を担当し、店長が調理場に入っています。
朝とはいえ、お客様は常に2〜3人並んでいます。
人手が足りないのはわかるのですが、自分たちの業務に追われてしまいお客様に全く向き合っていないのです。
二人だけしかいなければ、連携を強化し、互いに声を出しながらテキパキとした接客が必要です。ところが、店長は自分の手が空いていてもカウンターに一切出ようとしません。
調理場から「いらっしゃいませ」「お待たせいたしました」などの挨拶もありません。
暗ーい表情で、自分の目の前のことしか見えていないようでした。
そんな状況が8か月ほど続いていたと思います。ところがある日そのお店に行くと雰囲気が明るくなっているのです。改装でもしたのかと店舗を見まわしましたがその気配はありません。
店舗ではなく店長がかわっていました。
新しい店長は「いらっしゃいませ」「お待たせいたしました」「ありがとうございます」とお客様に明るい声をかけながら、笑顔で調理場、カウンター、フロアを機敏に動いています。
お店全体の雰囲気が店長が一人かわっただけで、ガラッとかわっていました。
また、別なファーストフード店の話ですが、そのお店は「いらっしゃいませ」の挨拶がありません。いまどき珍しいお店だと思いながら観察していると、やはり店長も挨拶をしていません。店長自身、カウンターに出ていながら「いらっしゃいませ」と挨拶をしていないのです。
このように店長のお客様への姿勢、接客態度、スタッフへの姿勢がお店全体の雰囲気を作りだします。
店長の良いところも悪いところも全て受け継ぐのがスタッフです。
特に悪いことはすぐに受け継ぎます。
上に立つ人の影響は大きいのです。
(2012年12月 近代消防社)
(2011年 一般社団法人日本監督士協会 発行)